
国際輸送を考えたとき、まず避けては通れないのが「コンテナ」の存在です。しかし、初めて輸出や輸送の現場に関わる方にとっては、「コンテナにはどんな種類があるの?」「サイズはどう選べばいい?」といった基本的なことすら、意外と知られていません。実は、コンテナ選びはコストや輸送効率を大きく左右する重要なポイント。この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消するために、コンテナの種類とサイズについて、図解も交えてわかりやすく解説していきます。
- 1. コンテナ選びに悩んでいる方へ
- 2. なぜコンテナの種類が重要なのか?
- 3. 【種類別】主なコンテナの特徴と用途
- 3.1. 最も一般的で汎用性が高い、ドライコンテナ
- 3.2. 高さのある貨物に最適な、ハイキューブコンテナ
- 3.3. 温度管理が必要な貨物には、リーファーコンテナ
- 3.4. 上からの積み込みが可能な、オープントップコンテナ
- 3.5. 幅広・重量物に強い、フラットラックコンテナ
- 4. コンテナのサイズ比較と選び方のポイント
- 4.1. コンパクトで小口輸送に向いている、20フィートコンテナ
- 4.2. 大量輸送に適した標準サイズ、40フィートコンテナ
- 4.3. 高さを活かした大容量輸送、40フィートハイキューブコンテナ
- 5. 正しい知識で最適なコンテナ選びを
コンテナ選びに悩んでいる方へ
輸出をはじめようと思って調べ始めたものの、いきなり「20フィートコンテナ」「40フィートハイキューブ」など、聞き慣れない単語が飛び交って戸惑った経験はありませんか?
最初は何をどう選べば良いのかわからず、余計なコストがかかってしまうケースも少なくありません。さらに、荷物が収まりきらない、逆にスペースが余って費用がもったいないといったトラブルもよくあります。
でも、安心してください。こうしたトラブルの多くは、コンテナの基礎知識を知ることで未然に防ぐことができます。本記事を読み進めることで、自信をもって最適なコンテナを選べるようになるはずです。
なぜコンテナの種類が重要なのか?
コンテナにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴と適した用途があります。そのため、荷物の形状や性質に合ったコンテナを選ばなければ、輸送中の破損リスクが高まったり、作業効率が悪くなったりすることも。
また、港や物流会社によって対応可能なコンテナの種類が異なることもあり、輸送全体のプランニングに影響を及ぼす場合もあります。つまり、適切な種類を選ぶことが、スムーズかつコスト効率のよい輸送に直結するのです。
そこで次の章では、実際に使用される代表的なコンテナの種類を一つずつ詳しく見ていきましょう。
【種類別】主なコンテナの特徴と用途
コンテナは大きく分けて以下のような種類があります。
- ドライコンテナ(Dry Container)
- ハイキューブコンテナ(High Cube Container)
- リーファーコンテナ(Reefer Container)
- オープントップコンテナ(Open Top Container)
- フラットラックコンテナ(Flat Rack Container)
それぞれの特徴と用途を順に解説します。
最も一般的で汎用性が高い、ドライコンテナ

最もよく使用されるコンテナがドライコンテナです。
密閉性が高く、雨風から荷物をしっかり守ってくれるため、輸出入における基本のコンテナとして広く採用されています。特殊な温度管理が不要な一般貨物であれば、まずこのタイプを選べば問題ありません。
高さのある貨物に最適な、ハイキューブコンテナ

ハイキューブコンテナは、通常のドライコンテナに比べて高さが約30cm高くなっています。
この高さによって、かさばる軽量貨物や高さのある機械部品などを効率的に積載できます。内寸の高さが約2.7mあるため、縦のスペースを有効に使いたい場合に非常に便利です。
温度管理が必要な貨物には、リーファーコンテナ

冷凍・冷蔵機能を備えたリーファーコンテナは、生鮮食品や医薬品など、温度管理が必要な貨物の輸送に使われます。
上からの積み込みが可能な、オープントップコンテナ

通常のドライコンテナでは積み込みが難しい大型機械や重量物には、天井が開いているオープントップコンテナが適しています。
クレーンを使って上部から積み込むことができ、背の高い貨物や不定形な荷物に柔軟に対応できます。荷物をシートで覆って雨風を防ぐ必要があるため、事前に防水対策をしておきましょう。
幅広・重量物に強い、フラットラックコンテナ

両側の壁がないフラットラックコンテナは、特に幅広の重量物輸送に使用されます。
工場機械や車両、大型資材など、通常のコンテナに収まらない荷物を効率よく輸送するために欠かせません。荷物の固定やバランスの確保が重要となるため、専門業者のサポートを受けることをおすすめします。
コンテナのサイズ比較と選び方のポイント
コンテナには、サイズによっても大きな違いがあります。最もよく使われるのが以下の3つです。
- 20フィートコンテナ(20FT)
- 40フィートコンテナ(40FT)
- 40フィートハイキューブコンテナ(40HC)
それぞれのサイズと用途の目安を紹介します。
コンパクトで小口輸送に向いている、20フィートコンテナ

全長約6mの20フィートコンテナは、小規模な輸送や混載便に適しています。
自社で満載できない場合でも、他社の貨物と合わせて混載輸送することでコストを抑えることができます。重量制限にも余裕があるため、重たい荷物を少量輸送する際に選ばれることが多いです。
大量輸送に適した標準サイズ、40フィートコンテナ

20フィートの倍となる40フィートコンテナは、輸送量が多い場合にコストパフォーマンスが良くなります。
たとえば、家具や衣類、雑貨など多品種・大量の輸送に向いており、価格と輸送効率のバランスが良いサイズです。輸出初心者の方でも、ある程度荷物の量が見込めるならこちらが最適です。
高さを活かした大容量輸送、40フィートハイキューブコンテナ
通常の40フィートに高さが加わった40HCは、かさばる荷物や軽量な大量貨物の輸送に便利です。
内寸の高さが2.7mあり、空間を最大限に活かせるため、効率的な積載が可能になります。軽くて体積の大きい荷物には特におすすめです。
正しい知識で最適なコンテナ選びを
コンテナ選びは、単なるサイズや形の問題ではありません。荷物の特性や輸送経路、コストとのバランスを考慮しながら、最適な種類とサイズを選ぶことが求められます。
今回紹介したように、基本的な種類やサイズの違いを押さえることで、無駄な出費やトラブルを避け、スムーズな輸送が実現できます。さらに、必要に応じて専門業者の意見を取り入れることで、より安心して輸送計画を立てることができます。